旧約聖書:失楽園から現代人の私達の学びについて
紆余曲折ある壮大な物語の失楽園ですが、その物語は現在の私達の生活、人間関係における心持ちにおいて、少々学べる部分があると思いました。
今回は、とても簡単にですが、分かりやすく失楽園から学べる教訓について書いてみようと思います。
ではまず、失楽園にて、神に対して、ルシファーたちは何故、反旗を翻し、敵対したのか?見ていきましょう。
◆ルシファーたちが神に反旗を翻し、敵対したその理由ですが、主に「驕り」と「嫉妬」に起因しています。ルシファーはかつて大天使長として神に最も愛され、天使たちの中でも最高の地位にありましたが、その権威と力にうぬぼれ、自分が神を越えられる存在であると考えるようになりました。この傲慢さから、彼は神に対して反乱を起こし、他の天使たちを味方につけて神に立ち向かうことを決意しました。
また、神が人間を創造し、人間に特別な愛情を注いだことがルシファーの不満を引き起こしました。彼は自分よりも人間が優遇されることに嫉妬し、その結果、同様の不満を抱いていた天使たちを集めて反乱を起こしました。この嫉妬心は、彼が神から与えられた地位や役割に対する不満から生じたものです。
ジョン・ミルトンの『失楽園』では、ルシファーの反乱が単なる権力争いではなく、彼自身の内面的な葛藤や理想主義的な側面も描かれています。ルシファーは変化し続けることが美しさであると信じており、神の永遠不変性に対抗する形で自らの信念を貫こうとしました。彼は神の統治を独善的で傲慢だと見なし、その支配から解放されることを求めました。
この物語から私たちが学べることは、傲慢や嫉妬がどれほど危険であるかということです。ルシファーのように、自分自身の力や地位を過信しすぎると、重大な結果を招く可能性があります。また、人間関係や社会的な地位においても、他者との比較や嫉妬心が生じることで、自らを破滅へと導くことがあります。この教訓は、自己認識や謙虚さの重要性を示しており、他者との関係を大切にしながら生きることの大切さを教えてくれます。
さらに、『失楽園』は自由意志の重要性や逆境における強さ、愛と犠牲についても深い洞察を提供しています。これらの教訓は、現代においても人間の内面的な葛藤や道徳的選択について深く考えさせるものです。